いじめをさせない小さな一言 Rethink

少し前だが、とても勇気づけられるニュースを見つけた。
アメリカの学生が、ネット上のいじめを無くすためにどうしたら良いのか考えて、シンプルだけど力強い一言を投げかけることを思いついたのだ。
http://news.livedoor.com/article/detail/9176896/

学生の名まえはTrisha Prabhu。14歳の女の子だ。
ネットいじめの深刻さに深く悩んだ彼女は、10代はまだ脳の発達が完成しておらず、考えるより先に行動してしまう傾向があること、特に判断能力を司る前頭部は25歳くらいに完成するという点に注目した。
そして、ユニークなアイデアに行きつく。しかも彼女はきちんとシステムを作って実験した。
実験参加者を投稿前に何のメッセージも出てこないグループと、投稿前にメッセージが出るグループに分けてみた。
そして後者のグループでは、SNSに投稿する前に一つのメッセージが表示される。

「このメッセージは他人を傷つけるかもしれません。本当に投稿しますか?」

この短い一言で、実に9割以上の人が、投稿を思いとどまったのだというからすごい効果だ。
彼女はこのアイデアで、Google Science Fairのコンペで最終候補者の一人に選ばれている。

彼女のアイデアがユニークなのは、いじめの加害者に働きかけているところだ。
日本でもそうだが、いじめの問題になると、被害者が声を上げることやいじめから保護することに力が注がれ、加害者側へのアプローチが弱い。
いじめは被害者だけの問題ではなく、加害者側も年月を経て大人になった時、強い自責の念に深く悩むこともあるのだ。
だから、できればいじめをさせない、しそうになってもその段階で止める働きかけが重要だ。

彼女のアイデアは、いじめる側に立ってしまう前に再考して思いとどまらせることに着目している。
それ投稿していいの?と聞かれるだけで、勢いで口走りかけた言葉を思いとどまり、言う子も言われる子もいじめから遠ざけることができるのだ。
ネットいじめに対して有効な手立てが打ち出せていない現状を考えると、すごいことだと思う。

日本でもネットを使ったいじめは深刻だ。タロウも間もなくこの問題に向き合わざるを得ないだろう。
彼女のアイデアが日本でも注目され、広まることを親として強く期待する。

詳しい話はこちら(英語)。
https://www.googlesciencefair.com/projects/en/2014/f4b320cc1cedf92035dab51903bdd95a846ae7de6869ac40c909525efe7c79db